ASTM E399によるKIc試験の合否判定基準の意義と必要性

2021年3月
株式会社 シミズテック 技術顧問
木内 晃 (Akira KIUCHI)

1. まえがき

弊社では、引張試験および疲労試験に加え、ASTM E399に準拠した室温KIc試験のNadcap*1)認証の取得を目指している*2)。
金属材料の線形平面歪破壊靭性値、KIcを求める試験法であるASTM E399は1970年に制定され、修正を加えながら50年間利用されてきた。
この規格は、主に、航空・宇宙用の高力Al合金、Ti合金、マルエージング鋼などの高強度鋼の靭性評価に適用されているが、高圧容器のAl合金製ライナー、Al合金を用いた3Dプリンター造形品やMg合金の靭性評価にも適用されている。 また、プラスチックの靭性評価にも、ASTM E399を基にしたASTM D 5045が適用されている。
試験の依頼を受けて実施する試験所では、規格に忠実に、間違いなく実施することが重要であるが、同時に、規格の約束事の背景やその意義を理解しておくことも重要である。
KIc試験には、得られた暫定破壊靭性値KQをKIcと認めるための合否判定基準が存在するが、それが定められた歴史的背景やその意義は、十分には理解されていない。本報では、公表文献を広く調べ、KIcの合否判定基準の意義と必要性について再整理したので、その結果を以下に示す。

2. ASTM E399によるKIcの求め方と合否判定基準

KIc試験は1970年にASTM E399-70T 1)として初めて制定された。KIc試験での荷重‐開口変位線図はFig.1の3タイプに分類さる。

荷重‐開口変位線図の線形域の傾きより5% 少ない線 (95% secant line) を原点から引き、それと荷重‐開口変位線図との交点の荷重P5をPQとし、それから求めたK値を暫定破壊靭性値KQとする。
P5が得られる前に不安定破壊を生じるTypeⅢでは最大荷重PmaxをPQとして、TypeⅡのようにpop-inを生じる場合はpop-in発生荷重をPQとしてKQを計算する。

*1) National Aerospace and Defense Contractors Accreditation Program(航空宇宙産業界の国際特殊工程認証制度)
*2) 2014 年に、室温と高温での引張試験および高サイクルと低サイクル疲労試験の Nadcap 認証を取得した。室温 KIc試験に関しては、2020 年に ISO 17025 の認証を取得済みである。

面内寸法一定で試験片厚 B を変化させると、KQは Fig.2 2)に示すように B の増加とともに減少し、平面歪破壊靭性値 KIcに収束する。
ASTM E 399-70T 1)では、式(1)と式(2)をともに満足すれば KQは KIcと見做せる。
B , a≧2.5(KQ /σys)2 (1)
Pmax /PQ≦1.10 (2)
ここで、a :き裂長さ
σys:降伏応力または 0.2%耐力
上記判定条件は、ミクロボイド合体形の破壊を生じる高力アルミ合金やチタン合金、マルエージング鋼などの高強度鋼の実験結果2), 3)を基に定められたものであるが、2005年までは脆性‐延性遷移を示す低中強度鋼にも適用されていた。

ASTM E399は2005年に2つの大きな変更がなされた4)。1つは脆性‐延性遷移を示すフェライト鋼の破壊靭性評価をASTM E399の対象から除外した。2つ目はKIcの合否判定基準の式(1)を式(3)に変更した。すなわち、試験名は平面歪破壊靱性試験であるが、平面歪と関連性が高い試験片厚Bが寸法要件から省かれた。この背景には、Wallin5)の提案が関係している。

W-a≧2.5 (KQ /σys)2 (3)

ここで、W:試験片幅Wallin5)はミクロボイド合体型のKQは試験片厚Bではなく、B/(W-a)、すなわち試験片の扁平度に依存すると考えて、過去の実験結果を再整理した。
Ti合金のKIc試験の再整理前をFig.22)、再整理後をFig.35)に示す。Fig.2では、式(1)を満足すればKQは一定値に収束し、Fig.3では、B/(W-a)≧0.2を満足すればKQは一定値に収束する。上図のように明確な傾向を示す実験結果は多くはなく、Bには全く依存しないのか、B/(W-a)≧0.2の判定基準5)は正しいのか、断言するのは難しい。
ASTM E399-05 4)では、式(1)は式(3)に代わり、要求寸法からBが省かれたが、ASTM E 399には試験片形状に関する規定があり、CT試験片の場合、W/B=2~4、a/W=0.45~0.55となっている。式(3)を満足するとき、上記許容範囲でのBに対する要求はTable 1のようになる。
W/B=2、a/W=0.5の標準試験片では、W-a=Bとなるので、W-aが式(3)を満足すれば自動的にBも式(3)を満足することになるが、W/B=4、a/W=0.45の場合はB≧1.13(KQ/σys)2となる。すなわち、現行規格では、試験片厚に対してB≧1.13(KQ/σys)2を間接的に要求していることになる。なお、a/W=0.5のとき、W-a = aとなるので、式(3)を満足すれば、aも自動的に式(3)を満足する。

3. KIcの合否判定基準の意義と必要性
日本の破壊力学の教科書6)や解説書7)には、式(1)のBに対する要求は平面歪状態であることを保証する条件、式(1)のaに対する要求および式(3)は、小規模降伏状態であることを保証する条件、式(2)のPmax /PQ≦1.10はPQが安定き裂進展開始の荷重にほぼ対応することを保証する条件であると記されている。また、海外の文献8)には、式(2)は荷重-開口変位線図の非線形がき裂先端近傍の塑性域の成長によるだけでなく、安定き裂の発生を伴うものであることを保証する条件と記されている。
以下では、上記の妥当性について検討する。

3.1 B≧2.5(KQ /σys)2の意義
(1) 平面歪状態とは?

試験片厚B に対する条件は、Fig.2に示すような実験結果に基づいて定められたものである9)
ことを断った上で、この式を理論的に検討する。
平面歪条件下の完全弾塑性体では、き裂先端に形成される塑性域寸法Rは式(4)で表される10)。

R=(1/3π)(K/σys)2       (4)

式(4)と式(1)を組み合わせると式(5)が得られる。

R≦B/23.6=0.042B      (5)

すなわち、式(1)を満足すると塑性域寸法RはBの約4%以下となり、十分に小さいと思われる*3)。
破壊靱性試験における平面歪状態の定義は明確でない。Anderson9)は、薄板試験片でも板厚中央は平面歪状態が保たれるので、薄板は平面応力、厚板は平面歪とする考え方には問題があり、Fig.4に示すように、き裂先端近傍(x<3.2 a , W-a≧2.5(KQ /σys)2の意義
(1) 小規模降伏状態とは?
3.1で、式(1)のBに対する要求は実験データに基づき定められたものであると述べた。式(1)のaに対する要求および式(3)も理論的に導出されたものではなく、標準試験片ではB=a=W-aとなることから、a やW-a に対してもBに対する式(1)と同じ式を用いたと推測される。以下では、3.1と同様、これらの式を理論的に検討する。
標準試験片では、き裂先端の塑性域寸法RはBのみならずaやW-aに対しても約4%以下となる。
小規模降伏状態とはRがaやW-aに比べて十分に小さく、線形破壊力学が適用可能な状態を言う。ただし、RがaやW-aに比べてどの程度までなら、小規模降伏と言えるのか、明快な決まりはない。
xをき裂の延長線上のき裂先端からの距離とすると、無限平板に存在する長さ2aの貫通き裂のき裂先端近傍の開口応力σyは、σ√(πa)で与えられるK値を用いて式(6)で表される18)。なお、σはき裂面に垂直方向の遠方での作用応力である。

σy=K/√(2πx) (6)

厳密には、σyはx(n-2)/2(n=1, 2, 3,・・)に関する式(7) 18)のような級数で表され、式(6)はその第1項である。

σy= K/√(2πx)+0+0.75σ√(x/2a)+・・・ (7)

したがって、近似解である式(6)が適用できるのは、き裂先端近傍に限られる。近似解と厳密解の誤差はx=0.1aで7%、x=0.2aで13%となる18)。
小規模降伏概念では、塑性域内をブラックボックスとして、式(6)で与えられる塑性域の外側の応力場が同じなら、塑性域内も同じであるとして取り扱う。したがって、塑性域寸法Rは、σyが式(6)で表示可能な領域より小さい必要がある。
式(1)や式(3)から得られるRは、aの約4%以下であり、x=0.1aより十分に小さく、小規模降伏概念を満たしている。
Wallin5)は、式(8)を満足するならK値が適用可能であるとした。

W-a≧1.1 (K /σys)2       (8)

実際、筆者19)が標準CT試験片を対象に実施した3次元弾塑性数値解析によると、式(8)を満足するなら、荷重から計算したK値 (KP) と弾塑性パラメータであるJ値から換算したK値(KJ)との誤差は3%以内に収まる。また、Mark Jamesら20)は、CT試験片を対象に、歪硬化指数およびE/σys (E:ヤング率)を種々変化させて3次元弾塑性数値解析を行った。それによると、極端な例を除き、式(8)を満足するならKPとKJとの誤差はほぼ5%以内に収まる。したがって、上記の数値解析の面からは、式(8)は小規模降伏条件として妥当であると考えられる。
 標準試験片ではW-a=aとなるので、式(8)の場合、R≦0.096aと表される。このRはx=0.1aと同等
レベルになるが、x=0.2aよりは十分に小さく、先に示した小規模降伏の定義とも矛盾しない。
なお、標準試験片はW-a=Bとなるので、3.1の(1)で示したように、式(8)を満足すれば小規模降伏状態であるとともに平面歪状態であると言える。
疲労き裂進展試験の規格であるASTM E647 21)では、CT試験片 (4≦W/B≦20) に対し、式(9)を
満足すればK値が適用可能であるとしている。

W-a≧(4/π)(K/σys)2=1.27(K/σys)2 (9)

CT試験片は塑性拘束度が高い試験片であるが、W/B=20の場合、塑性域寸法Rは、Fig.3やFig5から見ると平面歪より平面応力の式を用いる方が妥当と思われる。それは、式(10)で表される10)。

R=(1/π)(K/σys)2       (10)

式(9)と式(10)から、式(11)が得られる。

R≦(W-a)/4=0.25(W-a)     (11)

式(11)のRは、σyが式(6)で表示可能な領域より大きく、小規模降伏概念は成立しない。しかし、実際は、完全な平面応力状態ではないので、この場合でも、小規模降伏概念が適用できるのではないかと思われる。このように、小規模降伏条件にはかなり幅がある。ASTM E399の式(1)や式(3)を満足すれば、小規模降伏状態であるが、必ずしもそれらを満足しなくても、破壊靱性試験片の場合、式(8)を満足すれば小規模降伏状態であると言える。

(2) W-a≧2.5(KQ /σys)2の意義の新たな提案
筆者11), 12)は、3種類の相似形の標準CT試験片および標準3点曲げ試験片を対象に3次元弾塑性数値解析を行い、Fig.10の結果を得た。
縦軸のKQplは、き裂先端近傍の降伏のみにより非線形を呈した荷重-開口変位線図と95% secant lineの交点の荷重から計算したK値である。Fig.10の破線はKQpl /σysとW-aの関係で、CT試験片は
KQpl /σys={(W-a)/1.5}1/2、3点曲げ試験片はKQpl /σys={(W-a)/1.73}1/2で表示できる。この破線の下側では、K値がKQplに達する前に、Fig.1のTypeⅠのPQが得られるので、安定き裂を伴ったKQとなる。
同図には、小規模降伏条件の式(8)とKIc試験の寸法要件である式(3)の上限界を実線で示した。
Fig.10から以下のことが言える。
KQpl /σysはCTおよび3点曲げ試験片とも式(8)と式(3)の間に位置しており、これが、歪硬化指数やσysに依存せず、また、ASTM規格の範囲内でW/Bを変化させても変わらないことを確認している11)。したがって、小規模降伏条件の式(8)を満足しても安定き裂を伴ったKQであると言えないが、式(3)のW-a≧2.5 (KQ /σys)2を満足すれば、安定き裂を伴ったKQであることが保証される。
標準試験片の場合、小規模降伏および平面歪の観点から言えば、必ずしも式(3)を満足しなくても式(8)を満足すればよいことになるが、式(3)は安定き裂を伴ったKQであることを保証する条件として新たな意義を有することになる。

3.3 Pmax /PQ≦1.10の意義
3.に示したように、破壊力学の教科書や解説書によると、式(2)のPmax /PQ≦1.10はPQが安定き裂進展開始にほぼ対応することを保証する条件6), 7)、あるいは荷重-開口変位線図の非線形が、き裂先端近傍の塑性域の成長によるだけでなく、安定き裂の発生を伴うものであることを保証する条件8)と記されている。
式(2)を満足してもPQが安定き裂の発生・進展を伴うものであるとする理論的裏付けはない。また、3.2の(2)で示したように、式(3)が理論的裏付けを持って、その意義を有しているので、その意味では、式(2)は不要となる。
式(3)を満足しても、PQが安定き裂進展開始にほぼ対応することは保証できないので、その意味では、式(2)は必要になるが、式(2)を満足すると、本当にPQが安定き裂進展開始にほぼ対応することになるのか、検討する。
Fig.7の標準CT試験片(W/B=2)によるKIc試験のデータ14)を用いて、Kmax /KQ (=Pmax /PQ)と試験片厚Bの関係をFig.11に示す。
Fig.11において、Bを増やすとPmax /PQは低下し、B≧43mmでは、Pmax /PQ≦1.10を満足するようになるが、これは、Bを大きくして、K-Rカーブの傾きが低下した結果として得られたものではない。
3.1の(2)の2) に示したように、相似形試験片の場合、Bを増やしてもK-Rカーブの傾きは低下しない。実際、Fig.11の結果をKmaxとBの関係で整理したFig.12では、KmaxはBを大きくしても低下せず、W-a増大の影響もあると思うが、増加している。Fig.12には、KQとBの関係も併記したが、KQの方がKmaxよりBに対する傾きが大きい。
すなわち、 Fig.11のKmax/KQ (=Pmax/PQ)≦1.10は、相似形試験片のBの増大によりKmaxが低下した結果として達成された訳ではなく、き裂を長くしてKQに対応するΔaを大きくし、KQをKmaxに近づけていくことで達成される(Fig.6のCase 2)参照)。
このように、Pmax /PQ≦1.10を満足させるために試験片を大きくするとKQはKinから離れていき、“Pmax /PQ≦1.10はPQが安定き裂進展開始にほぼ対応することを保証する条件である”とする意見6),7)と逆の結果になる。
KIc試験は、Kin を簡便に求めるために作られた試験法である。したがって、Fig.1のTypeⅠのKQはKinに近い値になるべきである。しかし、相似形試験片の場合、Pmax /PQ≦1.10の制約は、上述のように、その考え方と相反する結果をもたらすので、筆者11), 12)の提案では、式(3)を満足してKQが安定き裂を伴った値であることが保証されれば、式(2)は不要とした。
 KIc試験では、その定義上、Fig.7に示すようにKQのき裂長さ依存性は避けられず、この点を問題視する意見5), 9) が存在する。しかし、式(3)を満足する範囲では、その依存性は余り大きいものではない。また、試験する立場からは小型試験片を用いる方が便利であり、わざわざ大型試験片を用いることはなく、小型試験片から得られるKIcの方が大型試験片を用いて得られるKIcより安全側となるので、KQのき裂長さ依存性を過度に問題視する必要はないと思われる。
それでも、KQのき裂長さ依存性を抑えたい場合は、サイドグルーブ付き試験片の使用が推奨される。サイドグルーブ付き試験片のK-Rカーブはそれがない場合に比べて傾きが小さくなることが知られている。サイドグルーブ付き試験片は、ASTM E399では当初認められていなかったが、2009年の改定版、ASTM E399-09で追加された。

4. Kinを求める試験法
日本機械学会基準であるJSME S 001-198122) は弾塑性破壊靭性値JIcを求める試験規格であるが、KIc試験についても記載されている。その中で、Kinを求める試験法を提案している。Kin が式(12)を
満足すれば、Kin=KIcと見做せるとした。

W-a≧2.5 (Kin /σys)2   (12)

Kin は3軸応力度の影響を受けにくい安定した値であるので、式(2)のPmax /PQ≦1.10および試験片厚Bに対する寸法要件は不要とした18)。
2005年のASTM E399の改定でBに対する要求が無くなり、2020年の改定版、ASTM E399-2023)にAppendixとして追加されたKIsi試験では、Pmax /PQ≦1.10は不要となった。その点を考えれば、1981年に発行されたJSME S 001-1981の考え方は先進的であった。
しかし、Kin を求めるにはストレッチゾーン法と呼ばれる手間のかかる作業が必要となる。それは、複数試験片を用いて、所定の異なる変位まで載荷したのち除荷する。各試験片の安定き裂先端位置を識別するため、疲労き裂を少し進展させたのち、静的載荷で破面出しを行ない、走査型電子顕微鏡で安定き裂進展部位のストレッチゾーン幅(SZW)を計測する。荷重とSZWの関係をプロットして、SZWが一定となる荷重からKinを求める。SZWを安定して求めるには、技術も必要となる。
JSME S 001-1981には、電位差法、超音波法あるいはAE法を適用して、安定き裂発生時の荷重を検出し、Kin を求める手法も示されているが、いずれも高価な計測機器が必要となる。また、安定した値を求めるには技術も必要であり、余り活用されていないのが実状である。
ASTM E399によるKIc試験法は、上述したような問題点はあるが、簡便であるが故に世界で広く活用されている。

5. むすび
金属材料の線形平面歪破壊靭性値、KIcを求める試験法であるASTM E399は、半世紀も前に制定された規格であるが、修正を加えながら現在も高力Al合金やTi合金等の材料の破壊靭性評価に活用されている。また、プラスチックの靭性評価にも、ASTM E399を基にしたASTM D 5045が適用されている。
KIc試験で得られた暫定破壊靭性値KQをKIcと認めるためには合否判定基準を満足する必要があるが、それが定められた背景やその意義は十分には理解されていない。
試験の依頼を受けて実施する試験所では、規格に忠実に、間違いなく実施することが一番大切であるが、同時に、規格の約束事の背景やその意義を理解しておくことも重要である。
本報では、公表文献を広く調べ、KIcの合否判定基準の意義と必要性について、筆者の提案11),12),13)も含めて再整理した。
なお、2020年の改定版、ASTM E399-20 23)では、AppendixとしてWallin5)が提案したsize-insensitive linear-elastic plane-strain fracture toughness, KIsiを求める試験法が追加された。KIsi試験は、上述のKQのき裂長さ依存性と言う問題を解決する手法として提案された。その求め方や合否判定基準に関しては、高圧力技術協会の協会誌である圧力技術に、近々、解説として掲載される予定24)であり、それを参照していただきたい。ASTM E399-20では、AppendixとしてKIsi試験が追加されたが、本文のKIc試験に関する内容に大きな変更はない。

参考文献

1) ASTM E399-70T; “Tentative method of test for plane strain fracture toughness of metallic materials”, (1970).
2) M. H. Jones and W. F. Brown, Jr.; “The Influence of Crack Length and Thickness in Plane Strain Fracture Toughness Tests”, ASTM STP 463, pp.63-101, (1970).
3) W. F. Brown, Jr. and J. E. Srawley ; “Plane Strain
Crack Toughness Testing of High Strength Metallic Materials”, ASTM STP 410, (1966).
4) ASTM E399-05; “Standard Test Method for Linear-Elastic Plane-Strain Fracture Toughness KIc of Metallic Materials”, (2005).
5) Kim R. W. Wallin ; “Critical Assessment of the Standard ASTM E 399”, Journal of ASTM Inter- national, Vo.2, No.4, pp.433-453, (2005).
6) 例えば, 中井善一, 久保司郎 著; “破壊力学”,
朝倉書店, (2014).
7) 例えば, 田川哲哉; “破壊じん性とその試験法”, 日本材料学会関西支部主催の講習会「破壊力学の基礎と最新応用」, pp.12-33, (2019).
8) Xian-Kui Zhu and James A. Joice; “Review of fracture toughness (G, K, CTOD, CTOA) testing and standardization”, Engineering Fracture Mechanics 85, pp.1-46, (2012).
9) T. L. Anderson; “FRACTURE MECHANICS, Fundamentals and Applications, Fourth Edition”, CRC Press, (2017).
10) 小倉敬二; “小規模降伏(破壊力学入門講座3)”, 材料, 第32巻, 第361号, pp.1194-1199, (1983).
11) 木内晃, 清水洋志, 石原健一; “安定き裂成長を伴うKIc試験の合否判定基準に関する考察”, 圧力技術, 第51巻, 第3号, pp.80-88, (2013).
12) 木内晃, 石原健一; “ミクロボイド合体型破壊に対するKIc試験の合否判定基準に関する提案”, 圧力技術, 第53巻, 第1号, pp.16-26, (2015).
13) 木内晃, 石原健一; “小型試験片を用いたミクロボイド成長型KIc試験に関する検討”, 圧力技術, 第56巻, 第5号, pp.268-278, (2018).
14) J. G. Kaufman and F. G. Nelson; “More on Specimen Size Effects in Fracture Toughness Testing”, ASTM STP 559, pp.74-85, (1974).
15) D. Munz, K. H. Galda and F. Link; “Effect of Specimen Size on Fracture Toughness of a Titanium Alloy”, ASTM STP 590, pp.219-234, (1976).
16) J. A. Joice and R. L. Tregoning; “Development of Consistent Size Criteria for ASTM Combined Fracture Mechanics Standards”, ASTM STP 1360, pp.357-376, (2000).
17) J.G. Kaufman; “Experience in Plane-Strain Fracture Toughness Testing Per ASTM Method E 399”, ASTM STP 632, pp.3-24, (1977).
18) 小林英男 著, “破壊力学”, 共立出版, (1993).
19) 木内晃, 石原健一, 清水洋志; “へき開破壊に対するKIc試験の合否判定基準に関する数値解析的検討”, 圧力技術, 第52巻, 第5号, pp.255-265, (2014).
20) M. James, D. Wells, P. Allen and Kim Wallin; “A Review of the Proposed Kisi Offset-Scant Model for Size-Insensitive Linear-Elastic Fracture Toughness Evaluation”, NASA Technical Report, No. M17- 6005, pp1-24, (2017).
21) ASTM E647; “Standard Test Method for Measure- ment of Fatigue Crack Growth Rates”, (2008).
22) 日本機械学会基準 JSME S 001-1981; “弾塑性破壊靱性JIc試験法”, (1981).
23) ASTM E399-20; “Standard Test Method for Linear-Elastic Plane-Strain Fracture Toughness of Metallic Materials”, (2020).
24) 木内晃; “ASTM E399「線形平面歪破壊靭性の標準試験法」に関する最近の動向”, 圧力技術,
第59巻, 第3号(2021年5月)に掲載予定.