材料試験とは、主に工業上での使用を目的とした材料の性質を調べるための試験です。
機械や構造物など、あらゆる製品においてそれを構成する材料には一定の品質が求められます。そこで同じ材料の試験片に外部から引張・曲げ・圧縮・せん断などの荷重を加え、その過程や結果からどの程度の耐久性が備わっているか、あるいはどこまで力を加えれば破断するかを測定し、機械的性質(力学的性質)を明確化します。
■材料試験の目的
材料試験を実施することは、その材料が持つ強度や剛性を明確にするだけでなく、材料間の比較やコストパフォーマンスの改善にも役立ちます。
また、機械的性質を検査することで製品化した際の安全性の確保や性能面での向上も確実になります。一例として、車両や船舶、航空機などはその特性からなるべく軽量な材料が要求されがちですが、安全性の確保という観点から見ると単に軽量であればいいわけではありません。部品によっては硬さや強さが必要なケースもあり、もしそれらが不十分だった場合は本来の性能を発揮できないばかりか破損の原因にも繋がります。
一方で必要以上に頑丈にした場合は、それだけコスト面・性能面共に負担が大きくなることは言うまでもありません。故に材料試験の実施は製品の品質管理において欠かせないプロセスであると言えます。
■試験の種類
材料試験には検査対象と同じ材料から作られた試験片を使用します。
また検査では、引張試験・圧縮試験・曲げ試験・ねじり試験・せん断試験・衝撃試験・硬さ試験・疲労試験・クリープ試験・摩耗試験などを行い、その材料が持つ機械的性質を調べます。