『引張試験』は、材料の機械的性質を測定する試験の中でも代表格と言える試験です。
主に工業や建築における材料の引張強度、伸び、降伏点などの機械的性質を評価することを目的としており、試験材料は金属、プラスチック、ゴム、繊維など多岐にわたります。
■金属材料の引張試験について
金属材料の引張試験では、「万能試験機」という試験機を用いて測定します。試験片の両側を試験機に挟んで固定した後、所定の速度で引っ張ることでその金属の耐力や強度、及び変形具合やどの程度の力で破断するかなどを調べます。
金属材料は硬度や剛性が優れているだけでなく、展延性や溶融性も持ち合わせているため加工がしやすく、工業用部品から建築用資材、自動車、電化製品、食器など身の回りにある製品に幅広く使用されています。
そのため、引張試験によって金属の機械的性質を知ることは製品の設計や加工、品質管理、新素材の開発を行う上で非常に重要な役割を果たしています。
■引張試験機について
引張試験の試験機としてよく用いられているのが「万能試験機(引張・圧縮試験機)」です。金属以外にも多種多様な材料に対応しており、JISやISOで定められた試験片に引張・圧縮・曲げなどの力を加えて変形、破断させることで材料の強度を評価します。