シミズテックのテクニカルレポート

2023/02/22
テクニカルレポートNo.4 「樹脂のKIc試験 (その3)‐KIcの合否判定に及ぼすs-s線図の影響‐」

 弊社では、金属の材料試験に加え、樹脂の材料試験や化学分析を新たな試験メニューにすべく、活動しています。樹脂は、通常、大きな変形能を示しますが、き裂が存在すると変形能が大きく低下します。き裂が存在する状態で単調載荷を受ける材料の強さを破壊靭性値と呼びます。線形的に破壊する場合、線形弾性平面歪破壊靭性値KIcを求める試験法が、金属材料ではASTM E399、樹脂の場合はASTM D5045で規格化されています。テクニカルレポートNo.2で、ASTM D5045の試験法の概要をASTM E399と対比して、説明しました。テクニカルレポートNo.3では、樹脂のKIcに及ぼす影響因子を公表文献をもとに整理し、金属と比較して考察するとともに樹脂のKIc試験の課題について検討しました。
 樹脂の応力‐歪線図は、金属と比べて降伏応力σysまでの非線形性が大きく、かつ歪軟化を呈する特徴があり、これは、き裂先端近傍で降伏が生じ易い方向に働くと考えられます。いっぽう、有効なKIcを得るためには、き裂先端近傍に形成される塑性域寸法が試験片寸法に比べて十分に小さい状態で試験する必要があり、試験規格にはその判定条件が含まれています。上記の樹脂の応力-歪線図の特徴が、この判定条件に影響を及ぼす可能性が考えられます。本レポートでは、その影響を数値解析の面から検討しました。

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