シミズテックのテクニカルレポート

2025/01/29
テクニカルレポートNo.9 「鉄鋼材料のへき開破壊靭性試験(2)‐ASTM E1921(マスターカーブ法)‐」

 前報で示したように、鋼の脆性-延性遷移域でのへき開破壊靭性値を求めることを目的としたASTM規格は、現状、ASTM E1921のマスターカーブ法のみである。ASTM E1921は、へき開破壊の統計モデルとフェライト鋼に共通するへき開破壊靭性値の温度依存性、すなわち、マスターカーブから構成されている。

 本報では、ASTM E1921の試験手順と破壊靭性データの統計処理方法について詳しく説明する。また、マスターカーブを決定する参照温度, T0の算定例として、その手法を原子力圧力容器用鋼と使用済みタービンロータの破壊靭性データに適用した結果について説明する。

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